Nov 15, 2008

パンパンパン♪パンパンパパン♪♪

今朝店へ向かう途中、近くのパン屋が月に一度の「サービスデイ」の看板を掲げているのを見て、普段は贅沢だからと我慢していた専門店のパンを、今日は久々にチビを連れて買いに来ようかな、と目論んでいるうちに、かつて友人が送ってくれたおいしいパンを思い出した。

私と同じパン好きの友人は、遥か京都から東京町田のおいしい天然酵母パンの店を見つけ、千葉に住む私のためにオーダーしてくれた。おいしくて、おいしくて、その後職場の後輩の奥さんの実家が町田で度々帰省していることから、帰りに買ってきてもらったほどだ。焼き立てならもっとおいしいだろうにと、この距離が恨めしかった。

私のパン好きは小さい頃からだが、天然酵母パンの存在を知ったのは20年近く前の、東京の代々木近くで働いていた頃で、近くの小さなパン屋の独特の味がおいしくて、当時はまだ天然酵母などさほど注目されておらず、固いけど味わい深いパンにはまっていった。

仕事が変わって千葉に移り住むと、近くにおいしいパン屋は無く、天然酵母パンは東京へ行った際のお土産程度のものとなり、私の日常から消えていった。しかし、運命の赤い糸(?)は繋がっているもので、ほどなくして東京から移り住んできた女性が、自宅の一角で天然酵母のパン屋を始めた。所詮そこらにある手作りパン屋だろうと思ったものの、家から歩いてわずか数分の場所だったため、取り合えず様子を見に行き、試食用に小さなものを一つ買って店を出た。待ち切れず家までの帰り道にパクついてみると、そう、忘れかけていたあの味だった!

半分食べかけのまま急いで店に戻り、大きいサイズのものを購入した。オーナーと話をしてみると、歳が近いことやお互い都会からの移住ということですぐに意気投合し、その後は私好みのオーダーで焼いてもらったり、夜な夜なお邪魔して語り合ったりという親しい間柄になり、私の天然酵母パンは再び日常のものとなった。

その後しばらくして彼女はパン屋をたたみ東京へ、私も鎌倉へと移住し、少々値の張る天然酵母パンは、再び私の非日常となってしまった。今は近くのスーパーの「食パン6枚切り98円」が超日常だが、これはこれでおいしい。そして毎朝、このパンを9等分し、小さな小さなフレンチトーストを作る。チビちゃんのお気に入りの一品だ。

運命の赤い糸が結ばれているのなら、きっとまたこのパンに巡り会えるだろう。今度はどんな状況だろうか?その時まで、ムリせずこの超日常パンを楽しんでいたいと思う。