Dec 24, 2008

未知の人は既知になる人

最近店に来てくださるお客さんが『ブログ読んでま~す!』とおっしゃる方が増え、すごく嬉しい反面チョッピリ恥ずかしい。でも、ついこの前まで全く知らなかった人と、店を開き、HPを立ち上げ、ブログを書くことで少しずつ知り合いになり、お店で「さぁご対面!」という流れが、なんだかとっても面白かったりする。ブログにもHPにも顔写真を載せていないため、来てくださる方は『あ~、あんなアホなこと書いていたのはこの人ね~!』とか『後姿ばかりのチビちゃんの顔は、こんなやんちゃ顔だったんだ~!』などなど、色々感じていらっしゃることでしょう。

ほら、そこで読んでいるだけのあなた、一度冷やかしに来ません??お代は見てからで結構よん!!

インターネットが普及していなかった子供の頃から、未知の人との交流に興味を持ち、小学校2年生にもかかわらずアマチュア無線の「ハム」の試験を受けに行ったことがある。正確に言えば、10日間の講習を受け、最後に試験を受けて合格すれば資格が取れる、というものだった。「ハム」の資格を取れば世界中の人といつでも交信ができる、ということを漫画で知り、親にせがんで受けに入ったのだが、受講に年齢制限はないものの、当然教室では最年少で、それでも頑張れば理解できない内容ではなかったのだが、最初の法規の内容が難しい言葉ばかりでつまらなくなり、たった2日で断念したのを憶えている。それに比べたら、ネットのなんと簡単なこと。まさに「どこでもドア」で、このディスプレイの向こうでどこの国の人とも瞬時に繋がるなんて、あの頃の私に『もう少し待ってなよ!』と教えてやりたい。

当時のハイテク通信「ハム」を断念してからしばらくすると、小学校でアフリカのヨハネスブルグ日本人学校の生徒に手紙を送る企画があり、大喜びで参加した。同じ年頃の女の子を選び、一生懸命手紙を書いた。すると、しばらくして他の送った生徒には、かわいい便箋に書かれた返事が届いたが、私だけはなんだか達筆な文字で書かれた、飾り気のない便箋が渡された。なんと、それはその学校の校長先生からのものだった。なんでも私が選んだ生徒は既に日本に帰ってしまい、もうその学校にはいないとのこと。せっかく手紙を書いてくれたのに、申し訳ない... 。と言う内容だった。

せっかく異国に住む未知の人と交流ができる、と「ハム」のリベンジに喜んでいたにもかかわらず、それが夢半ばで破れてしまいへこみそうになったものの、そこはポジティブシンキングの私、そのままその校長先生宛に手紙を書き、かなり強引に『じゃぁ、先生文通しましょう!』と仲間に引きずり込んでしまった。先生もこんな状況じゃ、イヤとは言えなかったのだろう。快く引き受けてくれ、先生が日本に帰るまでの1年以上もの間、まめに文通を続けたものだった。

先生が日本に帰って来てから一度だけお会いしたが、文章では素直に話せてもいざ60歳過ぎのおじさんを目の前にすると、小学校4年生のはにかみ少女は何も話せず、会話が異常に盛り上がらず、同行した母に先生が『この子は手紙の方がいいみたいですね。』と言っていたのを憶えている。その原因は、今ならわかる。文通していた時は、あの未知なる大地「アフリカ」にいる校長先生!と光り輝いていたが、日本に帰国されて今目の前にいるのは、ただの初老の校長先生。「アフリカ」という付加価値がなくなった先生に、素直な子供は魅力を感じなかったのだろう。

先生、お元気かな? 
あの時は、大変失礼しました..... 。
今ではもう、身体も心も大きく、ふてぶてしくなりましたよ~!