Apr 8, 2011

もう一回


いつも夜更かし気味のチビを寝かしつけようと、布団の上で絵本を読もうとした瞬間の夕べの地震だった。鎌倉は大した揺れではなかったが、ニュースで震源地が東北と知り、心が痛んだ。

震災の傷が癒えぬ中での大きな余震による精神的負担は、幾ばかりか計り知れない。せっかく気持ちを切り替えて前へ進もうとしていたのに、その決意をも揺るがされない出来事が次々と起こるが、しかし生きていく以上、前へ進むしかない。

復興を祈念してか、最近店で流しているラジオでミスチルの「HANABI」や、ドリカムの「何度でも」をよく耳にする。どちらのアーティストもファンではないが、それでもこの2曲は気に入っている。とりわけ「HANABI」は、まだ自分の答えが見つけられない中で、悩み、苦しみ、それでも何かを掴もうとするその健気な姿に、胸を打たれる。

海外を旅すると、特に発展途上国や新興国では、筆舌に尽くしがたい悲惨な光景を目にする。そんな中で暮らしてきた夫は、結婚して初めて日本へ来た時、こんなに裕福で平和な国なのに、なぜ皆暗い顔をしているのかと、日本人の第一印象を語った。大震災の中でも、秩序を守る日本人としてその行動が海外で絶賛されていたが、実際は負担に駆られて買い占めに走ったり、被災地で犯罪が多発したりと、心の弱さは皆同じだ。

苦しいのは自分だけではない。皆その苦しみを何とか乗り越えて、あるいは共存しながら、素敵な明日を願いつつ一歩一歩踏み出しているのである。

ドリカムほど頑張れなくても、ミスチルくらいなら何とかなるんじゃないかなと、歌を聴きながら思った。

被災した人も、そうでなかった人も、皆ガンバレ!

posted by 天珠/曼荼羅/仏画(タンカ)の通販・販売 チベット専門店【蒙根】