先日忙しく店で仕事をしていると、チビが床に置いてあった新聞を取り上げ『ベーバ!ベーバ!』と言いながら近寄って来る。『ベーバ!』とは以前勤めていた職場の先輩が、チビに贈ってくれた絵本に出てくるクマのこと。別にクマの名前がベーバな訳ではなく、チビが勝手にそう呼んでいるだけで、なんで「クマ」が「ベーバ」になったのかは分からない。思うに、2冊贈ってくれた絵本の一方に、カバやラクダなどいろんな動物がたくさん出てきたため、読んで聞かせているうちにそれらの名前がミックスされてしまったのだろう。今ではすっかりこの「クマ」は「ベーバ」に定着し、『ベーバどこ?』と尋ねればどこからともなくこの絵本を探し出してきて、得意げにページをめくってはクマを指差しながら『ベーバ!』と叫ぶ。
そんな中で新聞を持って『ベーバ!ベーバ!』と騒いでいたため、『それはベーバじゃないでしょう?』と言うと、わずか1cm四方の小さな写真を指差していた。なんとそれは、新聞の記事の名作絵本ランキングで、『ベーバ!』の絵本が第3位で紹介されていたのだ。よくそんな小さい記事を見つけたものだと、感心しながら少々褒め過ぎたため、得意になったチビがその後しばらく『ベーバ!ベーバ!』とうるさかったのは失敗だったが、しかし子供の記憶や目線は大したものだ。
最近一人の自由な時間がないため、大好きな映画や本からはすっかり遠ざかっている。そんな中での唯一の「読書」が、店で仕事の合間に読む新聞だ。中でも、朝日新聞に週1回の割合で掲載される沢木耕太郎の「銀の街から」は、見つければ必ず熟読するお気に入りだ。新作映画を臨場感たっぷりに紹介するコラムで、彼の手にかかればどんな映画も魅力ある作品となってしまい、映画館に出向かないまでも「TSUTAYA」リストにエントリーされる。ただ今は「TSUTAYA」時間もままならないため、リストアップされる作品が増える一方だが、このコラムを読めば映画を1つ観たような満足感を味わえる。今日紹介されていたのは、韓国映画の「チェイサー」だった。おもしろそうだ...... もちろん「TSUTAYA」リストにエントリーした。
絵本ランキングの第7位に、「スーホの白い馬」が入っていた。これはモンゴルの民話で馬頭琴に繋がる話だが、夫は全く知らず現地でも聞いた事がないと言う。絵本なら日本語も簡単だろうし、今度買ってあげようかな?....... いや、もったいないからやめておこう。
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