
最近の映画はCGで人を描くことが多いが、やはり生身の人間の方がずっと迫力が出る。アジアの大草原で、キャストを何千人も動員して撮ったシーンと、PCで数人のキャストを増幅させ、数万人に仕立て上げた映像とでは、その違いは歴然としている。あの蟻の行列さながらの集団の異様さは、一様であってもイコールではない個々の人間が、同じ目的を成すことに不気味さが増していたのかもしれない。
そんなことを考えているうちに、いつの間にか集団は消えていた。うちの店は彼らの「砂糖」にはなりえなかったようだが、前を見て猛進ばかりしていないで、たまには回り道をしながら、そこらにある砂糖を舐めてみる人生も楽しいよと、彷徨える旅人の私は考えたりしている。
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