同じ商品でもどうやって売るかで、売り上げも価格も大きく変わってくる。ディスプレイにまだまだ素人の域を脱し得ない私は、日々勉強の毎日である。4年目に突入した顔馴染みのジュエリーショップの店長に『ディスプレイのセンスがいいねぇ~』と言うと、『最初の頃なんて見せられたもんじゃないよ~!最近ようやく「らしく」なってきたけど、まだまだ....。』と、何処も悩みは同じらしい。
うちの右隣は、開業25年の古本屋。古本屋とは思えないほどいつも綺麗にディスプレイされ、品揃えもなかなかのもの。常連さんもたくさんいて、さすがだなぁ~と思っていたら、先日ご近所のカフェのママさんと商売について話していたところ、ママさんの店の常連さんで作家業を営んでいる方が、
『あのお店は綺麗過ぎてどうもねぇ.....。』
つまり、この作家さんの言い分では、古本屋は神田のガード下のような、少し汚く平積みされている方が興味をそそられるのだそうだ。宝探しのように、もしかしたらこの奥に何かあるんじゃないか、というワクワク感がいいのだと言う。
店や商品は当然綺麗な方がいい、と思っていた私にとって、これはチョット目から鱗だった。潔癖症ではないが、何事もキッチリしていないと気がすまない私は、店のディスプレイもどこかキッチリしている。もちろん、客目線を意識してはいるが、夫に言わせるとどこか固いらしい。
好みは人それぞれのため、この作家さんのような方もいれば、綺麗に整然と並べられている方が好きな方もいるだろう。
では、うちの店はどうしようか?
チベットの露天のような、埃や砂まみれの少し雑多な雰囲気の方がいいのだろうか?
う~ん、まだまだ悩みは尽きない。