Mar 20, 2010

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「うららかな春の一日」という言葉がぴったりな三連休の初日、店の前を賑やかに観光客が行き交うが、天気と売り上げが反比例するうちの店は、残念ながら外の賑わいほど忙しくない。しかしそれでも、天気が良いとやっぱり気持ちが良く、なぜだか妙に嬉しくなってくる。

チベットの正月と中国の旧正月のダブルパンチで、毎年2月から3月にかけて、1ヶ月近く仕入れが停滞する。近頃ようやく市場が動き始め、仕入れ元のうちの仲間達も、徐々にやる気を出し始めた。いつもの商魂逞しい振る舞いを思うと、この正月の「ロンバケ」は恐ろしいほど潔い。帰省して家族と過ごす日々が、彼らにとっていかに大切なものであるかを、物語っているようにも思える。

モンゴル族の夫の、故郷の家族との結びつきは想像以上で、度々『I miss my father!』と口にしている。別に私がパスポートを取り上げて、夫の帰郷を制限している訳ではないが、今の生活状況では、優雅に「ロンバケ」を取って帰る余裕は無く、もうしばらく電話やメールで我慢してもらわなければならない。親離れが早く、故郷にさほど思い入れが無い私は、薄情なようだが『I miss ......』状態になったことはない。それよりもここでの生活を、いかに楽しく、有意義にするかの方が今は重要だ。

鎌倉に来てから2年以上が経ち、友人知人も増え、道を歩いていて『こんにちは!』と、声を掛けたり掛けられたりすることが多くなった。これって何でもないことのようで、すごく大きなことだったりする。また、チビのフレンドリー(馴れ馴れしい?)な性格のおかげで、近くのスーパーの従業員に知り合いができ、更に4月から晴れて保育園に入園することになったため、この先もチビを通して、ママ友達ができていくのだろう。知り合いが全くいなかったこの町で、一つ、また一つと、友達の輪が広がっていく。

そんなことを考えていたら、5年ほど前に日本語を教えていた、本国に帰った中国人からメールが届いた。授業が終わってからずっとご無沙汰で、久々に元気な彼の姿を見て嬉しく思うとともに、ここにもまた一つ輪が広がって、どこかの長寿番組の台詞状態だなと、一人で突っ込んで笑ってしまった。

この調子で行けば「ロンバケ」が取れる頃には、友達巡りで世界一周ができるな。
後は先立つものだけか..........。

posted by 天珠/曼荼羅/仏画の通販・販売 チベット専門店【蒙根】