Jul 8, 2009

煙たい試合

カレンダーに予定を書き込んでいて、ふと気が付いた。たぶん、今日は母の命日だ。自信はないが、確か7・8と憶え易い数字だな~なんて思っていた気がする。まぁ、間違っていても何かに影響があるわけではないし、名古屋へ行ってお墓参りするわけではないから、一応命日にしておこう。

母のヤバイ知らせを朝6時頃の姉の電話で知らされ、『早く来い!』と言われたが千葉の外れに住んでいたため、このまますぐに家を飛び出しても最低5時間はかかる。ならば、といつものようにシャワーを浴びて身繕いをし、ジープを走らせて途中ガソリンスタンド併設のカフェでアイスラテを飲み、再びジープに乗って千葉まで行き、翌日には帰る予定だったため千葉の市役所へジープを置き、千葉みなとから京葉線で東京駅まで行き、東京から新幹線に乗ってようやく一息ついたところで姉に『今新幹線に乗ったよ~!』とメールをしたら、『もう急がなくていいよ!』と言われた。ほらね、あのまま家を飛び出していても間に合わなかったでしょう?

『ずっとお母さん待ってたのにぃ~』とその場に居合わせた親戚から言われたが、30年以上振りに会う面々がほとんどだったため強く私を叱る者はおらず、皆献身的に母の世話をしてくれていた。病院から予約してあった葬儀場へ場所を移し、明日火葬して、その日のうちにお葬式やって..... と着々と事が進んでいき、姉が母の友人知人に連絡してさぁ一段落、と思っていた矢先、葬儀場の支配人が何やら申し訳なさそうに待合室に入ってくる。なんでも火葬の予約が死後24時間以上経っていなかったためキャンセルとなり、次に火葬が出来るのが混んでいるため3日後になるらしく、当然葬儀も3日後に先延ばしになるということだ。葬儀場のミスということでその後の処理は問題なく片付いたが、ただ火葬するまで線香の灯を絶やしてはいけないらしく、葬儀が出来る20畳以上ある和室で母の遺体と共に、急遽線香番として3泊するハメになってしまった。

遺体が近くにあるとは言えだだっ広い和室で、しかもテレビもシャワーも冷蔵庫もガスコンロもあるため、結構な旅館の一室だ..... 遺体さえ見なければね。線香番と言っても最近は長時間消えない渦巻状の(蚊取り線香みたいな)便利な線香もあって、一晩中起きている必要はない。名古屋の街中の葬儀場だったため、姉と交代でチョイチョイ抜け出し、美容院で髪を切って『いやぁ~母の葬儀が延びちゃってねぇ~』と、美容師が突っ込みにくい世間話をしたりして暇を潰していた。

そうそう、忘れもしないのが夜中のサッカーワールドカップ。元来サッカーには興味がないが、ジダンがどれほどすごい選手で、ワールドカップの決勝戦がどれだけ熱いかくらいは知っている。線香番を兼ねながら一人テレビを見ていて、いい感じで盛り上がっていたところでジダンの「頭突き」!!これには驚いて、葬儀場であることも線香番であることも(今更ながら)すっかり忘れ、一人夜中に大声で叫んでしまった。日曜日の深夜の試合、次の日仕事だったらたぶん見なかっただろうが、幸か不幸か線香番の任務遂行のお蔭で、世紀の試合を生でガッチリ見てしまった。

怠惰な三日間を過ごして無事葬儀を終え、真っ直ぐ千葉へ戻った。予定よりも3日も長く市役所へ駐車してしまったため、ジープに張り紙が貼られていた。仕事場に戻ると、常識的な人たちが多い私の部署では次々にお香典が渡されたが、髪を切ってサッカーを見ていた自分が貰うのも気が引けたので、全てお断りした。ただ係長が『自分の飲み食いに使ってもいいからさぁ~。』と言ってくれたので、その言葉通りに頂いた。

今日、何か名古屋でやっているのかな?
姉に電話して、もし間違っていたらウルサイからやめておこう。
そう言えば、あれからジダンどうしたんだろう?
ジダン万歳!!

posted by 天珠/曼荼羅/仏画の通販・販売 チベット専門店【蒙根】