Jun 8, 2011

色は匂えど、押っ張れば......


最近4歳の子供が、事ある毎に『おっぱれ~!』と言う。
造語の多いナンチャッテ日本語を話すチビだけに、また勝手に何かほざいているのかと思い適当にあしらっていたら、毎朝見る教育テレビの幼児番組で、主人公(?)が仲間とドタバタしている中で、『おっぱれ~!』と言っているのが耳に入ってきた。もしやと思いテレビの画面を見てみると、何かを穴の中から引っ張り出したり押し入れたりしながら『引っ張れ~!おっぱれ~!』と言っていた。つまり「おっぱれ」は「押っ張れ」だったのだ。チビがどのくらいこの言葉を理解して使っていたかは不明だが、大人の私は思わずクスリと笑ってしまった。

言葉は文化である。
そして、時代と共に刻々と変わり続けていく。
つまりは、言葉を見れば、当時の文化を推し量ることができる。
ギャル語が常態化し、日本語が乱れていると感じる今は、つまりそういう世の中だということだ。眉をひそめる人達もいるだろうが、これが現代日本の真の姿である。

かつて日本語教師の仕事を多少なりとも経験し、日本語に関する文献を色々読み漁り、その奥の深さに感動した。そんな素敵な日本語を残したいのならば、廃れいくものを嘆く前に、素敵な日本語を話したくなるような環境を築いていくことが大切だ。

私を「押っ張る」チビを、負けじと力で封じ込めた。いつもバタバタしている我が家では、ゆったりとした平安の言葉の再生は難しい。それでも、自分の思いを素敵な言葉で表せられるよう願いを込めて、毎晩(私の)眠い目をこすりながら、絵本を読み聞かせている。

天晴れ!!

posted by 天珠/曼荼羅/仏画(タンカ)の通販・販売 チベット専門店【蒙根】