Aug 30, 2009

「鳥」とりどり

夏休みの最後が選挙と台風という、なんだか荒れた締めくくりの8月、店の前の道が役所に続いているため、事前に送られた受付用のハガキを手に、夫婦や家族で投票に向かう人々が続々と通り過ぎて行く。昨日は鎌倉駅前に麻生首相も応援演説に駆けつけ、来ることを知らなかった散歩途中のチビと私は、青いシャツの「生総理」を偶然拝むことになった。猛暑の中、いつものムリした笑顔で頑張っていた。お疲れ様です。

以前勤めていた職場は、こういった選挙の事務は仕事の1つになるため、『解散!』と鶴の一声が国会で宣言されると、いつもウンザリしていた。なぜなら選挙事務は、朝の6時から夜遅くまで、開票事務が当たっている人は深夜まで、冷暖房設備のない学校の体育館や地域の集会所などで、ひたすら業務に従事しなければならない。人があまり住んでいない地域の担当になると、鳥のさえずりを聞きながら、数時間に1人の投票者をただただ待ち続けるだけで、暇過ぎて気が狂いそうになる。先日どこかの市で、立会人が携帯のワンセグで高校野球を見ていて問題になっていたが、そこの状況はよくわからないが、やってしまいたくなる気持ちは良く分かる。ただそんな過疎地では、携帯はほとんど繋がらないけど.....。

お客さまがあまり来店しない時は、これと似たような状況に陥る。他の店と違って『今日の天珠、いいよ~!ひとつ試しにどぉ?』と呼び込みはできないので、ひたすら店の中で待つしかない。選挙事務ほど拘束はされないし、夫がいれば店を抜け出すこともできるので気楽だが、暇イコール貧乏に繋がるため、気分はどん底だ。知り合いの店が皆『創業以来最悪!』と口を揃えて言うのを耳にすると、まだまだ鳥のさえずりは続きかねないが、バブリーな時を知らず、不況の中で開業したうちの店は、最悪な1年目よりも2年目の今年は売上が伸びているので、気持ち的には前向きだ。

さえずる鳥が「閑古鳥」にならないように、ひたすら前を見て歩くのみ!
暇に任せて作ったチビお気に入りの「コッシー(写真右)」

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Aug 24, 2009

すてきにすもーる!

先日、以前勤めていた職場の先輩から、チビに絵本を頂いた。前にも可愛いクマの絵本を頂き、今回はその第二弾。表紙の母親を見て私のことを思い浮かべたという、ありがたい様なありがたくない様なコメント付きだったが、確かにこんな感じかもしれない。絵本は言葉が全て「しりとり」仕立てになっていて、子供が思い描きそうな、現実と幻想が混ざり合った不思議な世界が描かれており、大人も見ていて非常におもしろい。

本の題名にもなっている「ママです→すきです→すてきです」は、「す」のしりとり。「すきです」はいいけど、「すてきです」は私に合わないなぁ、じゃぁ何がいいだろう、と思い始めたら「す」で始まる言葉がドンドン頭に浮かんできた。

「すごいです」・・・雰囲気はすてきよりも言い当てているかも。
「すっぴんです」・・・年齢的にムリ。
「すまーとです」・・・これはウソ。
「すもーるです」・・・合ってるけど何かイヤだな。
「すいすです」・・・何?平和ってこと?
「すみれです」・・・可憐ではない。
「すずめばち」・・・刺さないし、毒もないし。
「すきすきすき」・・・嬉しいけどウソっぽい。

なんてアホたれなことを考えて、一人ツッコミをしていた。実際はママの事を「マパ」と呼んだり、パパのことを「ママ」と呼んだりと、チビの中で「ママ」の存在が確立しておらず、まだまだ「しりとり」が成立しない状況だが、呪文のようにこの絵本を読んで聞かせれば、そのうち「ママ→すてき」に繋がっていくのかな......?

「ママです→すきです→すもーるだけどすごいんです!」

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Aug 17, 2009

ハイトン!?

最近、掃除機がゴミをスッと吸い込む様子がおもしろくてたまらないチビは、店でハンディクリーナーを持ち出しては、あっちこっちで小さなゴミを見つけて、スッス、スッスと「掃除」をしている。一見あまり迷惑じゃなさそうな遊びだが、このハンディクリーナー、稼働時間がわずか10分弱の割には充電時間は丸一日のため、チビのこの遊びのためだけに充電し稼動しているようなもので、以前のように棚の隅の掃除に使えなくなり、私としては非常に迷惑している。しかしこれを取り上げると、また新たな迷惑を発見するのは間違いないので、比較的害の少ないこの遊びは、今のところ黙認している。

私と夫が英語で会話をし、私からチビへは日本語、夫からチビへはモンゴル語や中国語という、非常に怪しい環境で育っているチビは、同年代の子供と比べると、まともな言語の語彙が乏しい。非常におしゃべりで、公園や図書館などで同世代の子供がいると、自分から積極的に話し掛けに行くのだが、訳の分からない言葉を発する元気いっぱいのチビを、礼儀正しい日本のお坊ちゃまやお嬢ちゃまは、怪訝そうに見ていて相手にしてくれない。まぁ、ムリもないかな。

日本語は純日本人の私から受け継ぐため、全く心配は要らないと思っていたら、先日車で買い物に行く途中、信号の赤色を見て『アカ』と変な発音で言っていた。『アカ』自体は間違いではないのだが、イントネーションが変なので「赤」には聞こえない。もしや~?と思って夫に「赤」を発音させると、やっぱり変な『アカ』が返ってきた。夫と居る時間が長いチビは、私よりも夫が勉強した怪しい日本語を受け継ぎ始めていたのだ。両親が外国人ならまだしも、母親が純日本人なんだから、もうチョット上手に話せるよう教えなきゃと、普段のチビとの関わりを反省した。

まだ小さい子供だから大丈夫!って思っている方も多いことでしょう。
でもね、
『電気閉めて!蜘蛛があった!薬を食べよう!』 って、
何十回教えても間違える夫の日本語は、やっぱりチョット問題でしょう?

そうこうしている内に、灼熱の太陽の下へ遊びに出掛けたチビと夫。
この隙に店の片付けを、重い普通の掃除機でやりますか。
今日はどんな怪しい日本語を教わってくるのかな?
シャチは海豚(イルカ)じゃないからね!!

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Aug 11, 2009

そして最後に笑うのさ!

夕べからの激しい雨が今朝まで続き、地震の被害も重なって、電車や道路に大きな影響が出ていたため、開店早々に店に来て下さるお客さまはいないだろうと、のんびり身支度をしていたら、店への到着が10時半近くになってしまった。もし9時半から待っていて、10時になっても開店しなかったから休みだろうと思い、帰ってしまわれたお客さまがいらしたら、申し訳ございませんでした。...... いないと思うけど。

昨日は本来なら鎌倉の花火大会だったが、悪天候のため中止だった。お盆での帰省も兼ねながら、鎌倉を訪れていた人が多くいたことだろう。高校を卒業して大学で関東に出てからは、全く帰省しない故郷名古屋。お盆だろうが年末年始だろうが、相変わらず帰省していない。まぁ、母は亡くなっているし、姉とは気が合わないし、親戚付き合いは(私個人は)ないし、親しい友人は同じように名古屋を出ているし、と帰省する理由がないのも要因の1つ。それでもニュースで「東海大地震の前兆か!?」と言われれば、多少、結構気になる。もうすっかり様変わりしているだろうが、あの懐かしい町並みが、建物が、崩壊していく姿はやはり見たくはない。

あの「阪神淡路大地震」の時、ちょうど当時親しくしていた後輩達が兵庫県出身で、四国で就職していたため、ニュースで地震のことを知って連絡を入れると、『今から車で実家に向かいます!』と言うので、心配だからちょくちょく連絡を入れるように話すと、テレビのニュース速報よりも早い時点で地震の被害状況が伝わり、そのリアルさと悲惨さに驚愕した。気が付けば何千人もの人が亡くなって、何万棟の建物が崩壊する大災害で、後輩の家も風呂場だけが残っていただけのほぼ全壊状態、友人も亡くなったりと、離れた場所の地震ではあったが、他人事ではなかった。

記憶に新しい中国四川の大地震も、ほんの数ヶ月前に訪れていた場所の建物が、無残に崩壊している様子をテレビで見て、もしあの中にいたらと思うとゾッとした。

さて、こんな世の中で、どうしようか?家の耐震強度を強めて、避難場所を確認して、災害袋を常備して、......... それから?

いやそれよりも、やろうかどうしようかと迷っていることがあったら、やってしまおうと思う。死んでしまったら、それでおしまい。天国が待っていようが、地獄が待っていようが、取りあえずこの世でこの身で生きるのは1回限りなんだから、やりたいことはやってしまおうと思う。それが様々な人生経験から学んだ、私の「人生訓」。

そしてやってしまった後は、.... まぁ、きっと何とかなるでしょう、ね? 
ハハ.....

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Aug 8, 2009

猛暑中お見舞い

暑い!
こんなに暑いと、外を歩いている人なんて、いない!
だから店に来る人も、いない!
そりゃそうだよねぇ~、私だって外出したくないもの..... 。
そう言えば、HP制作会社のメルマガで、「夏」を季語にした俳句を募集していた。それを見てすぐに頭に浮かんだのが 『夏キライ 電気代増 売上減』もちろん、会社には送っていないけど..... 。
それにもっと毒づいたものも頭に浮かんだけど、さすがにここでは店のマイナスイメージになるので、発表は控えさせて頂きます。気になる方は、個人的にメールでどうぞ。

こんなに焦げ付きそうな日差しの中、真面目に子育てをするパパは、健全な夏の遊びである海へ、チビを連れて出掛けて行った。すごいなぁ~、私には本当に優しくないけれど、チビに対しての熱意にはホトホト頭が下がる。だって、私がチビを連れ出す時は、マックやケンタッキーやミスドなどの「避暑地」。見て見て、うちに転がっているマックの「ハッピーセット」のおもちゃ達!これはまだほんの一部で、裏の部屋のダンボールにゴッソリ!もちろん私の場合、「店番」と言う大義名分な言い訳があるので、「海」などの遠方へ出掛ける訳にはいかないのだけれども、逆の立場だったら、もう.... ねぇ??

こんな陽気でも、朝からお墓参りに向かう途中で、数珠を求めてうちに寄って下さったり、日除けの帽子を買って下さったりと、真面目なお客さまに支えられております。なんだか不真面目なのは、自分だけのような気がしてきた。

皆さま、身体に気をつけて、この夏も、息抜いて、生き抜いて下さいませ!

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Aug 5, 2009

初心

先週、思い掛けない来客があった。
この店を開店するにあたって、それまでチベット仏教の知識が皆無だった私が、夫の説明を裏付ける日本語の資料を探していた頃、一番分かり易く、一番詳しく書いてあった本で、タンカや曼荼羅の説明をする際に「間違っていなかったかな?」と、バイブルのように紐解く本の著者である「田中公明先生」が、近隣での講演会の後、うちの常連客を「鞄持ち」に従えて、お店に来て下さったのだ。

当初奥の部屋で片付け物をしていたため、夫が店で座っていたのだが、来客の声がしたため片付けを中断し店の中を覗いてみると、どこかで見たような男性と女性が立っていて、男性の方が私に名刺を差し出して『こういうものですが。』と仰る。はい、と言って名刺を見ると、先生のお名前が!よくお顔を拝見すると、あっ、本の中の写真と同じだ!で、後ろに立っていた女性を見ると、あっ、あなたは、いつもの!..... みたいな流れでのご対面となった。いや~、本当にビックリした。

田中先生は、インド・チベット・ネパールの仏教美術に関する研究の第一人者で、大学での講義の他、イベントでの講演、テレビでの解説でもお馴染みで、関連著書は多数というの雲の上の方。それにもかかわらず、こちらが開店間もない頃、お客さまからの質問で分からないことがあった時、先生の著書の中にHPのURLを見つけ、更にそこでメールアドレスを発見したため、ダメもとで不躾ながら質問を投げかけたところ、お忙しい中、時間を見つけて回答の返信を二度もして下さったという、とても親切な先生。近隣の市での講演会の後、うちの店のことを思い出して下さり、「鞄持ち」の彼女に聞くと、『ああ、その店知ってますよ~!』ということになって、猛暑の中、わざわざ足を運んで下さったそうだ。

9月には、東京の「上野の森美術館」で「チベット展」があるらしく、そこでも講演をされるとのこと。益々のご活躍の中、『もう場所も分かったから、近くに来たらまた寄りますね。』と嬉しいお言葉まで頂いた。喜びと緊張のあまり、気持ちがぶっ飛んでいたのは言うまでもない。

真っ白な状態で飛び込んだ「タンカ」や「曼荼羅」の世界は、本当に奥が深く、そして面白い。最近は忙しくてあまり勉強をしていないが、先生との再会(?)で、開店当初の学習魂が再びメラメラと燃え出してきた。

まだまだ駆け出しの、にわかチベット仏教美術学習家ですが、これからもよろしくお願いします。
..... にしても、ビックリしたよ~♪♪

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