Jul 15, 2012

夢であいましょう~♪


三連休の初日、チビの保育園の保護者会主催による、「一泊二日寺院お泊り会」が開催された。これは年長クラスの幼児が初めて親元を離れてお泊り体験をするというもので、黒子となった担当の保護者が、至れり尽くせりのきめ細やかな段取りを行い、実際の各催しは園の先生方にお願いしながら、海遊びや花火大会、お買いものや調理体験、更には「大絶叫!肝試し大会!」など盛りだくさんの内容で、そして最後には親と離れて一人で寝るという、まるで「通過儀礼」のような行事である。

お婆ちゃんや親戚がほとんどいないうちのチビは、生まれてから5年間、親と離れて寝たことがない。それはそのまま親にとっても同じことで、仕事で遅くなることがあったとしても、いつも必ずくっついて寝てきた。そんな中でのお泊り体験、大丈夫かなぁと心配になったので、冗談交じりに『ママ、一人で寝るの寂しいなぁ~!』とぼやいてみると、『じゃあさ~、夢であえばいいじゃん!!』と、心憎い言葉で返されてしまった。「夢であいましょう」だなんて気の利いた言葉、どこで覚えてきたのだろうか?この瞬間昭和歌謡が頭に浮かんだ私は、やっぱり昭和の生まれなんだなぁと、つくづく実感してしまった。

言われてから気になって「夢であいましょう」をネットで検索してみると、昭和は昭和でも私が生まれる前のNHKの番組から出た歌で、ついでに動画サイトで曲を探してみると、チビに言われた際に私の頭の中に流れたメロディーそのものが見つかった。歌詞はおぼろげだったがメロディーはほぼ完ぺきで、でも当時の画像は全く思い出せない。もしかしたらママさんコーラスに所属していた母が、ソプラノで歌った子守唄の中にこの歌を織り交ぜていたのかもしれないが、今は亡き母に聞くことはできず、再婚した父親に聞くのはなんだしと、想い出探しはここまでとなった。

お泊り会から元気に戻ってきたチビに、『ねぇ、夢でママにあってくれた?』と聞くと、『うん、一緒に海に入ってね、僕はバズライトイヤーの浮き輪で、ママは大人用の浮き輪でね、一緒に海の中に入ってね、.......... !』と、日焼けした顔をニコニコさせながら、舌好調のリップサービスだった。

子供たちの「通過儀礼」は、そのまま親たちの「通過儀礼」でもある。寝る時に全く泣かなかったチビは、愛情いっぱいに育てているからだと自負したい。そしていつか大きくなってここを旅立つ時、「夢であいましょう」と言って送り出せたらいいなと思う。

それまでは、もう少し、もうちょっと、夢でもここでもあっていたい。

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