Oct 19, 2010

元気100倍


日曜日、お客様からチビへ「アンパンマン」のアニメのDVDを頂いた。「アンパンマン」はもちろん知っているし、顔だけなら画像を見なくても書ける。しかし、アニメを見たことは一度も無く、「アンパンマン」がどれだけ子供のヒーローで、どれだけ勇敢なのか知りたくて、ワクワクしながらチビと一緒に見てみた。

見始めてわずか数分で、度肝を抜かれた。お腹を空かして泣いている別の惑星から来た子供に、自分の頭のアンパンをちぎって食べさせたのだ。ちぎれた頭は変形したままで、子供も美味しそうにアンパンを食べている。幼児アニメとは思えないような設定に感じたが、食い入るように見て楽しんでいるチビの姿に、私はもう大人になってしまったんだなぁと、つくづく感じた。

今朝も相変わらず「アンパンマン」に夢中になっているチビを見て、「アンパンマン」の背景を知りたくなり、店に着いてからネットで調べてみた。どうやらその着想には、作者の従軍経験から得た「正義」とは何か、という理念がベースとなっているらしい。『正義の味方だったら、まず食べさせること。飢えを助けること。』そして、『本当の正義とはけっしてかっこうのいいものではなく、必ず本人も傷つく。』ということだそうだ。
なるほど......。

実際に飢えたことはないが、学生時代親からの仕送りが無く、バイト代だけで生活費全てをまかなっていた。だからバイトに行きたくないような日でも、ここで行かなければ食べることも寝ることも出来なくなる、という恐怖感をいつも抱えていて、スーパーでは安い食材を探すのに必死だった。ある日、家庭教師のバイト先で出されたクッキーが非常に美味しくて、同じものをスーパーで見かけた時、自分のバイト代ではかなりの贅沢な代物だったため、買うのを我慢した。社会人になって再びスーパーで見かけた時、思わず大量に買い占めてしまった。戦場での飢えとは比較にならないが、「食べられない」ことの苦しみや恐怖は、多少は理解ができると思う。

蛇足だが、「アンパンマン」の餡は作者の好みで「粒餡」らしい。
何だかスーパーで普通に売っている、安い「アンパン」が食べたくなってきた。

がんばれ、アンパンマン!!

posted by 天珠/曼荼羅/仏画の通販・販売 チベット専門店【蒙根】