Jun 28, 2011

その時歴史が動いた.....かな?


ひょんなことから、熱河離宮(現中国承徳)の写真を頂いた。
この地はかつて清王朝時代、数々のチベット仏教寺院が建立され、そこで多くのチベット仏教美術品が収蔵されていたにもかかわらず、その後の日中戦争や内戦、文化大革命などでそのほとんどが破壊されたり持ち去られたりした所である。わずか11点の写真ではあったが、当時の面影を知ることが出来る大変興味深いもので、頂いた時は隅々まで食い入るように見入ってしまった。(熱河の詳細はこちらから

歴史を知る術は古書を紐解くしかない。そして最後は、紐解いた者の判断に委ねられる。先日いらしたお客様は、本人曰く図書館で公に公開されていない古書を読み漁り、日本創世記頃の歴史を調べたところ、我々が学校で学び正しいとされていた日本史がどれだけいい加減で、そしてそれは日本のみならず世界史にも影響を及ぼしていることなど、彼女なりの見解を事細かに話して下さった。初老のご婦人だったが、何か資料を見るわけでもなく滔滔と話されるその語り口は実に明解で、大変興味をそそられた。事の真偽はもちろんわからないが、所詮どんな学者も当時へタイムスリップしない限り100%確実な答えは出せない訳で、だから歴史はロマンに満ち溢れていて面白い。

ちょっとした公の場で、そのお客様が独自の見解を述べ始めたところ、居合わせた学識の高い方々に頭ごなしに否定され、中には怒り出す方も出てきて大変な目に遭っい、それ以来あまり外では発言せず、一人粛々と調査の毎日だそうだ。勉強は「なぜ?」から始まる。幼い子供の「なんで?」は、勉強の第一歩だ。日本史や世界史は学校のテストの影響でとかく「暗記モノ」のイメージが強いが、これほど答えの不確かなものはなく、「なぜ?」の疑問に満ち満ちている。彼女のような見解があっても良い訳で、何よりも疑問を呈したことが素晴らしい。

私には彼女ほど明解に歴史を紐解く術は無いが、熱河の古い写真を見ながら、しばし清王朝時代にタイムスリップしたように当時の風景に思いを馳せてみた。

面白い!!

posted by 天珠/曼荼羅/仏画(タンカ)の通販・販売 チベット専門店【蒙根】