Jun 1, 2010

KABIないバター

早いもので今年も6月、恐怖の「KABI」の時期がやってきた。以前このブログに書いたのだが、乾燥地帯の大草原からやって来た夫は、日本に来て初めて「カビ」を見た。多湿の鎌倉では、油断をすると日本人の私でさえ気が狂いそうになるくらい、次から次へとカビが出現する。日本に住んで3年目になる夫は、すっかり「KABI」の撃退方法を覚え、暇を見つけてはセッセセッセと革靴やコートを外へ干している。よしよし、よく覚えたものだ。

昨日、10年ほど前にチベットを旅したことがあるというお客様がいらっしゃって、チベットを懐かしむ話の中で「バター茶」の話題が出た。そのお客様は最後までどうしても好きになれなかったそうだが、私は日本でバターは好きではなかったものの、身体は正直なもので、チベットのあの極度の乾燥のせいか、いつもグビグビ飲んでいた。今ここで出されたら、懐かしがって一口は舐めるだろうが、たぶんそこまでだろう。こんなに湿気のある鎌倉では、バターの保湿作用は無用である。

そう言えばチベットの寺院では、蝋燭ではなくバターを燃料にした「バター灯」が使われる。そのため寺院の中はバターの匂いが充満し、あっちこっちの床や壁がツルツルしている。現地では可愛い蓮の花を模った「バター灯」が多数売られているため、うちの店でも販売しようとしたところ、仲間に輸出できないと言われた。理由は分からないが、なんだかダメらしい。それ以外にも美味しい天然の塩など、個人的にも欲しい物がたくさんあるのだが、外国からの輸入には色々制約があって、一筋縄にはいかない。

「KABI」とは無縁の爽やかな今日の鎌倉。
湘南の海にでも出掛けて、浜辺でバター茶でも一杯飲んでおいで!.....
なんて夫に言ったら、きっと驚くだろうなぁ。
もちろん言わないし、家にバターも無いけどね。

posted by 天珠/曼荼羅/仏画の通販・販売 チベット専門店【蒙根】